最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)702 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士中村彌三次の上告理由は別紙のとおりである。
上告理由第一点について。
論旨は要するに、本件農地については、昭和二〇年二月ないし三月の間に、上告
人と小作農らとの合意によつて賃貸借契約は解約され、本件農地は小作地ではない
にかかわらず、原判決が小作地と認定し、本件買収計画を是認したのは、法律の適
用を誤つた違法があるというのである。
しかし、原判決は、上告人の右の合意解約の主張に対し、「右小作人らと合意解
約のうえ任意に右各農地の返還を受けたものでないことを認めるに十分であり、」
と判示しているのである。論旨は、原判決が認定した事実と相反する事実を前提と
しているのであつて、採用の限りでない。
同第二点について。
論旨は、原判決が本件合意解約の有無を農地委員会の承認の存否によつて判断し
たのは、法律の解釈を誤つた違法があるというのである。
昭和二二年法律二四〇号による農地調整法の改正以前において、農地賃貸借の合
意解約について農地委員会の承認または知事の許可を必要としなかつたことは論旨
のとおりである。しかし、本件の場合、原判決は、昭和二一年五月に、旧D農地委
員会が上告人と小作農らを招き双方の意見を聞き実情を調査した際にも、合意解約
が成立しなかつた事実を認定しているのであつて、原判決は所論のように合意解約
について農地委員会の承認を必要とする旨を判示しているのではない。論旨は理由
がない。
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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
裁判官 草 鹿 浅 之 介
裁判官 城 戸 芳 彦
裁判官 石 田 和 外
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